外国語を身につけるための日本語レッスン(三森ゆりか/白水社)

外国語を身につけるための日本語レッスン
目次

日本語を鍛えることが語学力UPに繋がる?

あなたは、外国語を学ぶ時に日本語を意識したことがありますか?

外国語を身につけるための日本語レッスン』三森ゆりか (白水社/2003年)

図書館でこの本を目にした時、

英語を学ぶ上で国語(日本語)を疎かにしてはいけない」という言葉を思い出しました。

この言葉を初めて耳にした時は言葉の意味がピンときておらず「英語力が低いわたしには分からないレベルの話かな」と深く受け止めていませんでした。

しかしこの本を読んで、日本語を鍛えることの重要性を実感しました。
当書で語られている内容は日本人同士のコミュニケーションにも役立つ内容だと思います。

下記に当てはまる方にはぜひ読んでみてほしい本です。

・外国語を学んでいる
・(外国人と)円滑なコミュニケーションを取りたい
・(外国人と)簡単な会話はできるが深い会話や議論になると話せない、黙ってしまう

日本語で話せないことは英語でも話せない

学生時代をドイツで過ごした筆者。

  • それぞれの言語の特徴
  • それぞれの背景にある文化
  • 欧米諸国と日本の国語教育の違いや、日本が抱える問題点

これらの内容が、筆者の体験したエピソードを交えて語られています。

筆者の話によると、欧米の言語教育は日本のそれとは根本的な考え方から大きく異なるようです。

欧米の言語教育は技術教科として実施されます。ここで指導されるのは、言語技術、あるいはコミュニケーション・スキルと呼ばれる、言葉を操るための技術(スキル)です。

三森ゆりか『外国語を身につけるための日本語レッスン』(39ページ)

欧米の言語教育では、実用的な技術(スキル)を指導しているとのこと。
具体的には下記のような技術のことを指します。

両氏が述べるように、「言語を駆使して主張し、説得し、発信」するために必要なのは、説明や描写、報告、記録、議事録などの情報伝達の技術や、論証の仕方、論文のまとめ方、プレゼンテーションの方法、討論や議論の技術、情報の要約や分析・解釈、批判的検討の技術を母語である日本語で訓練することです。

三森ゆりか『外国語を身につけるための日本語レッスン』(13ページ)

確かに、もの凄く実用的。
社会人になって初めて議事録を書くことになった時とても困ったことを覚えています。

報告書を書くにもプレゼンをするにも”第一言語の日本語で出来ないことが外国語で出来るわけがない“…ですよね。

日本の「国語教育」には実態がなく、その実態のなさが外国語習得の障壁になっている

三森ゆりか『外国語を身につけるための日本語レッスン』(39ページ)

異文化の人々と円滑なコミュニケーションを取るためには、まず日本語での言語技術やコミュニケーションスキルを底上げすることが必要不可欠だと痛感しました。

翻訳できる日本語に

外国語の知識を持っているにも関わらず、外国語で話が通じなくて悔しい思いをする日本人が後を絶たないのは、日本人にしか通用しない考え方や伝え方をしているからかもしれません。

言葉には、その言葉を操る人々の文化が投影されていますから、そうした文化に培われたものの考え方や文の組み立て方、半菜方などに目を向けずに言葉だけを学習しようとしてもなかなか外国語は身につきません。外国語の習得への近道は、母語である日本語の特性に着目することです。

三森ゆりか『外国語を身につけるための日本語レッスン』(56ページ)

日本語におけるコミュニケーションのあり方を見直し、外国語に移行可能な「翻訳できる日本語」、つまり「中間日本語」を身につけること、そのために言語技術、あるいはコミュニケーション・スキルを学ぶことこそ、外国語習得のための近道になるのです。

三森ゆりか『外国語を身につけるための日本語レッスン』(53ページ)

この”翻訳できる日本語”を身につけるための注意点について3章に渡って解説されています。

詳しい内容は省略しますが、自分が普段どのように日本語を遣っているか見直すきっかけとなりました。

まとめ

この本を読んで、文法などの知識を学んだだけでは本当の意味で外国語を身につけたとは言えないのだと気付きました。

文法や語彙だけでなく、これらについても学んでいきたいと思います。

  • 自分の日本語の扱い方や日本人のモノの考え方を知る
  • 異文化の人々と同等のコミュニケーションスキルを身につける
  • (自分が勉強中の)外国語がどのような思考に基づいて生まれたのか、文化的背景にも目を向ける

この本は、外国語学習者の視野を大きく広げてくれる一冊だと思います。

興味を持っていただけると嬉しいです。

外国語を身につけるための日本語レッスン

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この記事を書いた人

個人事業主として自活することを目指している30歳。
前職は企画事務とデザイン業。

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